科学研究費:成果報告

観光まちづくりのための計画技術の体系化と教育開発に関する研究
基盤研究(B) 研究代表者:川原晋
17,680千円 研究期間:2014年04月01日 – 2017年03月31日
科学研究費助成事業データベース(リンク)
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-26283016/

 

H27年度 研究実績の概要

「観光まちづくり」推進のための政策から現場の手法を把握するため、鳥羽の漁観連携や金沢・五箇山の歴史資源の保全・活用視察調査、①観光庁へのヒアリング、②JTBF実務家を招聘した公開研究会、③建築学会大会にてテーマ型セッションを主催し、観光まちづくりの多様性と可能性についての研究報告の収集、等を行った。その結果、観光地において、現場レベルにおけるビジョン構築、合意形成、人材育成等の点で、都市計画の技術に対する期待が大きいことが確認できた。テーマ別調査実績は次の通り。
海外先進国を対象に、観光地マネジメント組織(DMO)の事例研究を行った。シドニーにおける観光関連施策や組織体制の全体像調査、英国における官民協働型が要件のDMO調査、オランダにおける地域主導型観光関連機関の調査を進めた。

エコツーリズム推進法施行後の日本の現状について認定地域の事例収集を行った。地域資源の観光対象化技術の研究として、飯能市のエコツーリズム事業における観光対象化の変遷調査や、アートイベントの活用事例調査や実践的研究を進めた。

観光の基礎となる地域資源の保全と活用について、土地利用を中心とした都市政策と世界遺産を中心とした都市保全政策の関係について、日本、フランス、オランダを調査した。また、重要文化的景観選定地域で広域観光につながった取り組みについて、四万十川流域の選定プロセスや運営組織の一元化の特徴を明らかにした。歴史的市街地である八王子花街の花柳界と地縁組織が一体となった取り組み成果を明らかにした。

観光の負の側面の制御手法について、観光者のコントロールを行う五箇山調査(観光関連計画の精査・分析、観光客の滞在現状調査)、外部資本商業者参入コントロール事例としての川越を調査した。

教育開発に関して、分担研究者が大学等で担当する観光計画演習の内容を共有した。

 

 

進捗状況:おおむね順調

日本建築学会の観光と地域プランニング小委員会を母体とする研究体であり、学会大会での発表や、年に1,2回の客観的評価を受ける機会があるなど、成果をとりまとめ、好評する機会を持てているため。
その結果、当初定めた研究の個別テーマごとの論文発表など、成果が積み上がってきているため。
 

 

今後の研究推進策

これまで研究してきた内容を踏まえ、地域観光マネジメント(独自概念)に関する理論整理を行い、建築学会大会における大規模な公開研究集会の場で発表し、多様な専門家と意見交換を行う。
この際の資料集をベースに、刊行をめざしたい。