活動内容

事例調査

 観光政策推進体制調査:フランス、 ギリシャ(2014.07)、ロンドン、オーストラリア(2015.03)

概要
県や基礎自治体の主要な施策として観光振興が掲げられることが着実に増えている。この観光という、民間事業の比重の高く、状況変化の速い取り組み、かつ多分野にわたる取り組みに対して、行政が施策として観光に取り組むなら、民間と連携や効果的な支援、公共的に意味のある事業への誘導などを行政が総合的に動かすための、上位の概念としての「政策」がなくてはならない段階に来ている。しかし、政策を実現するツールである「計画:政策のシナリオを描くモノ」、「法制度:政策の実施権限を決めるモノ」、「予算:政策の規模を決めるのもの」が整っていないことや、これらを有する推進主体が形成されていないのが日本現状ではないか。このような問題意識の元、歴史的に観光施策に力を入れてきた諸外国において、こられの実態を調査中である。国から地域自治体レベルまでの関係や役割分担、行政と民間組織・事業者との連携関係、公定化のしくみなど。
(内海、川原、岡村、永野)

イベントから日常への段階的な事業化手法:「水都大阪」

概要
大阪の地盤沈下や都市課題を解決するため、大阪の都市の成り立ちそのものでありアイデンティティである川を活かし水辺から都市を再生しようというのが水都大阪の動きである。
2001年、国の都市再生プロジェクトとして採択され、それを受け、大阪府・大阪市・経済界が一体となり活動がスタートする。都心部の水の回廊の中の遊歩道や船着場などハード拠点整備を行政が進めた。 並行して、水上カフェ、水上タクシー、水辺不動産紹介、水陸拠点の舟屋の設置運営、川沿い飲食店の川床設置などの市民や民間主体の活動も活発化した。2009 年には、これらの活動や魅力を広く伝えるため、シンボルイベント「水都大阪 2009」が行われ、企画から運営に至るまで多くの市民や NPO、地域の方々が参加し、水辺を使いこなすアイデアや担い手をつくり、その実現のための公共空間の規制緩和の社会実験など継続継承のための仕組みも試行された。
さらなる活動推進には法人格をもった常設組織の設置、予算執行や事業内容の決裁権限を持ち特定エリアの許認可権限を一定委任できる仕組みが必要との課題認識から、2013年に民間推進組織「水都大阪パートナーズ」が誕生し、1)水と光の水辺シンボル拠点をつくる、2)国内外に魅力を伝え観光客を誘致すること。がミッションとなる。
具体的には、水の回廊沿いに 17カ所の個性ある「川の駅」の整備、その中でも中之島公園と中之島 GATE(大阪市中央卸売市場周辺)の2 拠点は直営で企画。あわせて、北浜テラスのような水辺オーナーが地先利用をする際の支援、舟運商品や旅行商品の企画販売、国内外へのプロモーションなどを進めている。

地域外からの誘客や投資を生む仕掛けとして、次のようなことが、要点である。
・市民自らが水辺を楽しみ、ビジネスをする、そのアイデアやチャレンジを受け入れることを通して、担い手の発掘、アクティビティや事業の誘致・展開する
・市民活動の呼び込み→企業投資の呼び込み→イベントから日常へ→国内外へのプロモーションという展開。
・イベントやキャンペーンによりエリアポテンシャルの可視化、段階的な事業化プロセス
・わかりやすいシンボル(ラバーダック、中之島公園、北浜テラス、SUP など)のPR
・多様な都市のコミュニケーションポイントのミックス
・新たな公共や対外的PRを担う主体を公募、府市経済界の枠組みの中で民間主導で事業推進

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(泉英明)

観光まちづくり手法の事例調査〜別府オンパク:大分県別府市等(2014.03)

概要
NPO 法人別府八湯トラスト理事 野上泰夫氏へのヒアリングと、現地調査を行った。
手法のモデル化と普及手法の開発により各地との連携関係を形成

→ジャパン・オンパク (助成事業活用)
・同じ方法論、共通のプラットフォーム。パートナーという各地の担い手の育成
・パートナー研修という各地のオンパクリーダーが年に数回会う仕掛け。
・オンパク流の主体形成、担い手育成/チームビルディング
「やってみて→評価されて→スイッチが入って→自分でやる」を仕組み化
・自分たちでもできると思ってもらえる(シンプルな)仕組み(の見せ方)
・主体性のある組織を作るため、4人位から始めて共感できる人30人を集める

■観光まちづくりにおけるオンパク手法の位置づけ
・外部人材の取り込み、やり方としては、地域内の人を使っていく内発的取り組み
オンパク自体では起業できないが、地域でのポジションを得ることはできるので、人生の次の展開に活かすという機能。環境をつくる場、仕掛け。
・若い人や移住者を市場にして、そうした人が商売できる環境をつくる場、仕掛けとなりえる。

■行政が主導するつながり方、民間主導によるつながり方
・行政はメディア対応、規制緩和、許認可、(海外)プロモーション、MICE など儲からないところ担う。民間は儲かるところを担う。

■観光地独自のエリマネ財源
ハードルは高いが、めざしたい。別府では宿泊税の内部化などが検討できよう。

 

観光まちづくり手法の事例調査 〜産業観光まちづくり手法としてのオープンファクトリー調査:東京都大田区ほか(2014〜2015)

概要

東京都台東区や大田区の中小工場集積地ではじまり、全国8カ所に広まっている「オープンファクトリー」という期間限定の工場一斉公開イベント手法について、「地域外とつながる手法とその意義」という本委員会の研究視点から分析した。

これらのイベントの核は、観光客や近隣住民が一斉公開された地域内の工場を自由に訪れ、職人さんによる工場や製品、技術の説明を聞くという「工場オープン」である。これを基本にして、ツアーや加工体験、展示といった様々なオプションイベントが加わっている。「工場オープン」によって多くの人を集客し、「オプションイベント」は、モノづくりのまちの課題を解決したり、目標を実現したりするのに、関心を持ってもらいたい、関わってもらいたい人をターゲットとしている。図のように、モノづくりのまちの課題解決や目標をもって、各参加主体のメリットが得られる工夫をすることで、オープンファクトリーというイベント手法は、地域にあった産業振興、地域振興のきっかけをつくることが可能な産業観光まちづくりの手法となると言えるだろう。

詳細は、川原晋、岡村祐ほか「中小工場集積地の産業観光まちづくり手法としての オープンファクトリー 」日本立地センター機関誌「産業立地」2014.11

主体の連携体制や地域資源・経済活動の関係調査:鳥羽市、答志島(2015.03予定)

coming soon

 

講師招聘 研究会

 十代田 朗 東京工業大学 准教授(観光計画)

coming soon

 

大社 充 氏 NPO法人グローバルキャンパス理事長(2015.01)

「観光まちづくりとDMOのあり方について」

※ DMO = Destination Management Organization

概要)

マーケットサイドが主役であった時代は、クオリティコントロール(味、トイレ…、)を送客サイドがしていた。これが発地型観光である。近年は、着地型観光が着目される中で、観光庁の着地型委員会などの議論では、旅行会社側は地域へ送客するには、地域側に一定品質のモノを規格化してほしいという視点があるが、地域側その時のいいもの見せたいという視点であり、かみ合っていないのが現状である。地域から価値を作って発信していかないといけない。しかし、観光振興計画を観光の主役である地域が見たことがないのが実態であり。地域における観光振興計画は形骸化している。これは計画のアクションプランがない。目標に責任を持つ主体がいない。ここを何とかしなければならないという問題意識がある。

かつては、行政+委員会+コンサルタントといったところが担い手、今はやっているのは、行政+住民+ファシリテーターという担い手だが、実態としてはあまり変わっていないだろう。

肝要なのは、この中に、アクションプランとPDCAサイクルを埋め込むことであり、モニタリングが重要である。また、住民自身がやるマーケティングも大事。どの産業でこの町は飯を食っていくのかを決めないと事業もプログラムもない。

観光にはいろいろなやり方があるので、それを提示して地域の合意のもとで地域の最適解をつくる必要がある。これには、客観的なデータを用いて、重要なアクターがどうなっているかを見える化することが大事である。地域のコア企業を支援すれば効果は大きいが、これをデータで示せば公共の政策として許される。日本では、観光地域経済というのがない。観光に予算を入れる論拠がない。観光のマイナス影響や観光親和度、そいうエビデンスを出すのがDMOの重要な役割。ハワイではこうしたことがリサーチをもとに議論されており、学術界は産業をサポートしている。

学術はこのようにサイエンスとして観光を支えるべきである。

 

後藤健太郎氏 JTBF:公益財団法人 日本交通公社 観光政策研究部 研究員(2015.8.1)

「近年の観光関連計画の策定現場からみた観光事業者とまちづくり推進主体の距離感」


議事録_後藤健太郎氏

 

建築学会大会 オーガナイズドセッション

2014年度テーマ「観光まちづくりにおける地域プランニングおよびマネジメントの計画手法」

地域再生にむけて観光への期待は大きいが、各地での取組みは模索段階にある。本OSでは、観光まちづくりの現場で活用されている都市計画やまちづくりの手法と、観光推進組織や事業者のなかで培われた手法を集め、その体系化や融合化について議論したい。例えば、地域資源の発掘から観光対象化までの手法、観光利用と環境保全の管理、地域外とつながる手法、観光政策や制度、観光に携わる主体形成や連携体制等に関わる投稿を期待する。

2015年度テーマ 「観光まちづくりの多様性と可能性」

地域再生にむけて観光への期待は大きく、従来、都市計画やまちづくり等の範疇で取り組まれてきた、景観まちづくり、住環境整備、中心市街地再生、産業振興などにおいても、観光の要素を含む取り組みが各地で行われている。本 OS では、地域資源の観光対象化や、外部からの来訪者の働きを意識した取り組みなど、まちづくりの現場における広い意味での観光要素を有する取り組みの報告をもとに、まちづくりと観光の関わり方の多様性や可能性を議論したい。